医療系分野標準教材(応用基礎レベル)

医歯薬看護系大学における数理・データサイエンス・AI教育の標準教材とシラバス例

本サイトでは、2024年10月にコンソーシアムにて取りまとめられた「医歯薬系大学・学部における数理・データサイエンス・AI教育実施に向けた手引き」に基づき、MDAモデルカリキュラムならびに各分野のモデル・コア・カリキュラムに対応したモデルシラバスおよび関連する演習用ノートブックを提供します 。

数理・データサイエンス・AI(MDA)モデルカリキュラム

コンソーシアムによって取りまとめられた、数理・データサイエンス・AI教育の基本的な考え方、学修目標・スキルセット、教育方法を提示したもので、「リテラシー」(データ思考の涵養)と「応用基礎」(AI×データ活用の実践)の二つのレベルに分かれている。MDASHの各レベルで求められる教育内容は、MDAモデルカリキュラムに準拠している。

医歯薬看モデル・コア・カリキュラム

各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共通して取り組むべき「コア」の部分を抽出し、「モデル」として体系的に整理したものである。令和4年度の改訂により、IT関連項目が以下のように加えられている。

利用条件とアンケート

ライセンスについて 本サイトで公開されている資料およびコードは、特記なき限り Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International (CC BY-NC-SA 4.0) ライセンスの下で提供されています。

* 学術・教育目的: 自由に複製、改変、再配布いただけます。

* 出典の明記: 利用・改変・再配布の際は、「医療系分野IT標準教材(数理・AI・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム)」を出典として明記してください。個別資料に著者名・所属の記載がある場合は、あわせてその表示も残してください。

* 非営利限定: 営利目的での利用はご遠慮ください。

アンケートご協力のお願い

今後の教材改善の参考にしたく、差し支えのない範囲でアンケートにご協力いただけますと幸いです。Google Formはこちら

更新情報

モデルシラバス

1科目8コマ、計4科目で構成されるモデルシラバス例について、教材をPDF/DOCX/PPTXをクリックすることで直接開けます。

モデルシラバスの概要については、「医歯薬系大学・学部における数理・データサイエンス・AI教育実施に向けた手引き」を参照ください。

*優先度は医療分野IT標準教材WGが点数付けしたものであり、参考値であることにご留意ください。

基礎知識

タイトル 優先度 資料
1 ベクトルと行列の基礎 7 .pdf
2 確率変数と推測統計 12 .pdf
3 最適化とニューラルネットワーク 12 .pdf
4 回帰分析 13 .pdf
5 統計的検定 12 .pdf
6 探索、知識表現、推論、学習(用語解説参照) 10 .pdf
7 教師なし学習の基礎 10 .pdf
8 ITセキュリティの原理と法令 14 .pdf .docx .pptx

社会動向

タイトル 優先度 資料
1 データ駆動社会と医療現場 15 .pdf .docx .pptx
2 医療データの取得と取り扱い 13 .pdf
3 AIの歴史と原理 10 .pdf
4 医療におけるAIの導入と受容 15 .pdf .docx .pptx
5 統計モデルによる医療データの分析 12 .pdf
6 診断におけるAIの活用 12 .pdf
7 生成AIの動向と仕組み 15 .pdf .docx .pptx
8 社会動向についてのグループプレゼンと討論 11 -

中核項目1

タイトル 優先度 資料
1 医療で使われるデータサイエンス 14 .pdf .docx .pptx
2 医療で使われるAI 14 .pdf .docx .pptx
3 データ分析の進め方 12 .pdf
4 医療データ取り扱いの留意点 10 .pdf
5 医療データの観察 11 .pdf
6 医療データ分析の実際 11 .pdf
7 医療データの可視化(用語解説参照) 11 .pdf
8 AIの活用と倫理 15 .pdf .docx .pptx

中核項目2

タイトル 優先度 資料
1 医療におけるICTの進展 10 .pdf
2 生成AIを活用したデータ分析プログラミング 6 .pdf
3 データ活用の実際 10 .pdf
4 医療データ収集の実際 8 .pdf
5 医療データベース作成の手法 4 .pdf
6 医療データクレンジングの技術(用語解説参照) 5 .pdf
7 医療倫理とITセキュリティ 11 .pdf
8 個別化最適医療を目指したAIの進展と現況 10 .pdf

データセットと演習教材

医療現場に身近なデータセットを起点に、機械学習の基礎を学べるよう整理しています。

データセット

Dataset 01. Heart Failure Clinical Records

心不全で入院した299人の患者の電子カルテデータ。追跡期間は最長285日で、分類・回帰の両方に応用しやすい表形式データです。

特徴量一覧(主要項目)
age 年齢
ejection_fraction 駆出率
serum_creatinine 血清クレアチニン
serum_sodium 血清ナトリウム
DEATH_EVENT 死亡イベント
データ種別 表形式
タスク 分類・回帰
サンプル数 299人・12変数
対象疾患 心不全

ソース元: UCI Machine Learning Repository

ライセンス: CC BY 4.0

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Dataset 02. Pima Indians Diabetes

21歳以上の女性768名を対象とした糖尿病関連の検査データ。分類タスクの導入教材として扱いやすい定番データセットです。

特徴量一覧(主要項目)
Pregnancies 妊娠回数
Glucose 血糖値
BloodPressure 拡張期血圧
BMI 体格指数
Outcome 糖尿病発症の有無
データ種別 表形式
タスク 分類
サンプル数 768人・8変数
対象疾患 糖尿病

ソース元: Kaggle / NIDDK由来

ライセンス: CC0: Public Domain

CSVをダウンロード

Dataset 03. MedMNIST

MNIST形式に標準化した医療画像ベンチマーク。2Dおよび3Dの医療画像を対象とし、分類タスクを軽量に試せます。

主な2Dサブセット
PathMNIST 大腸病理組織 / 9クラス
ChestMNIST 胸部X線 / 14クラス
RetinaMNIST 眼底写真 / 5段階評価
BloodMNIST 末梢血液細胞 / 8クラス
OCTMNIST 眼科OCT画像 / 4クラス
データ種別 医療画像
タスク 2値・多クラス分類
サンプル数 約71万枚・複数サブセット
収録内容 医療画像ベンチマーク

ソース元: MedMNIST

ライセンス: CC BY 4.0(一部DermaMNISTはCC BY-NC 4.0)

 

演習教材

現在公開中の演習Notebook・データセット・スライドをまとめています。(今後追加予定)

その他

演習教材の導入や授業準備に使える PDF をあわせて掲載しています。

参考資料&リンク

公的文書や外部ソースを一覧で参照できます。

参考資料

リンク

MDAモデルカリキュラムとモデコア対応表

MDAモデルカリキュラムと医療系各分野のモデル・コア・カリキュラムの対応を一覧で確認できます。

MDAモデルカリキュラムと各分野のモデル・コア・カリキュラムの内容については参考資料&リンクをご参照ください。

基礎知識

授業計画 MDAモデル
カリキュラムとの対応
R4医学教育
モデルカリキュラム
R4歯学教育
モデルカリキュラム
R4薬学教育
モデルカリキュラム
R6看護学教育
モデルカリキュラム
1 ベクトルと行列の基礎 ※1-6 RE-03-03 RE-02, IT-04 なし IT-01-03, RE-03-01
2 確率変数と推測統計 ※1-6 RE-03-03, SO-02-03 RE-02, IT-04, C-6-2 B-5-1, B-5-3, E-1-1, E-1-2 CS-01-01, CS-01-04, CS-01-05, IT-01-03, RE-03-01
3 最適化とニューラルネットワーク ※1-6 RE-02, IT-04 なし IT-01-03, RE-03-01
4 回帰分析 ※2-7 RE-03-03, SO-02-03 RE-02, IT-04, C-6-2 B-5-1, B-5-3, E-1-1, E-1-2 CS-01-02, CS-01-05, IT-01-03, RE-03-01
5 統計的検定 ※1-7 RE-03-03, SO-02-03 RE-02, IT-04, C-6-2 B-5-1, B-5-3, E-1-1, E-1-2 CS-01-02, CS-01-05, IT-01-03, RE-03-01
6 探索、知識表現、推論、学習(用語解説参照) ※1-7 RE-02, IT-04 なし IT-01-03, IT-04-02, CS-07-01
7 教師なし学習の基礎 ※2-7 RE-02, IT-04 B-5-1, B-5-2 IT-01-03
8 ITセキュリティの原理と法令 2-6 IT-01-01, IT-01-02 RE-02, IT-01, IT-02, IT-03, IT-04 B-5-2, D-3-5 IT-01-01, IT-02-01, IT-02-02

社会動向

授業計画 MDAモデル
カリキュラムとの対応
R4医学教育
モデルカリキュラム
R4歯学教育
モデルカリキュラム
R4薬学教育
モデルカリキュラム
R6看護学教育
モデルカリキュラム
1 データ駆動社会と医療現場 ☆1-1 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 IT-05, IT-06 B-5-1, B-5-2, B-5-3, E-1-1, D-3-4, D-3-5 IT-01-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-03-01, IT-03-02, IT-04-01, IT-04-02, CS-02-02
2 医療データの取得と取り扱い ☆2-1 RE-03-04, IT-01-01, IT-01-02, IT-02-01
IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02
IT-01, IT-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-2, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5 RE-03-01, IT-01-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02, IT-04-01, IT-05-01, CS-02-02
3 AIの歴史と原理 ☆3-1 IT-02-01, IT-02-02 RE-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-2 IT-01-01, IT-04-02
4 医療におけるAIの導入と受容 ☆3-2 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 IT-03, IT-04, IT-05, IT-06 B-5-2 IT-01-01, IT-04-02
5 統計モデルによる医療データの分析 ☆3-3 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-3, E-1-1, E-1-2 RE-03-01, IT-01-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-03-01, IT-03-02, IT-04-02, CS-01-02, CS-01-05
6 診断におけるAIの活用 ☆3-3 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 IT-03, IT-04, IT-05, IT-06 なし IT-01-01, IT-04-02
7 生成AIの動向と仕組み ☆1-1, ☆1-2, ☆2-1, ☆3-3
☆3-4
RE-01-01, RE-01-02, IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04, IT-05 B-5-2 IT-01-01, IT-04-02
8 社会動向についてのグループプレゼンと討論 ☆1-1, ☆1-2, ☆2-1, ☆3-2 IT-02-01, IT-02-02 IT-05, IT-06 B-5-1, B-5-3 IT-01-01, IT-04-02

中核項目1

授業計画 MDAモデル
カリキュラムとの対応
R4医学教育
モデルカリキュラム
R4歯学教育
モデルカリキュラム
R4薬学教育
モデルカリキュラム
R6看護学教育
モデルカリキュラム
1 医療で使われるデータサイエンス ☆1-1 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1
2 医療で使われるAI ☆3-1, ☆3-2 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04, IT-05, IT-06 B-5-2 IT-01-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-04-02
3 データ分析の進め方 ☆1-2 IT-02-01, IT-02-02, SO-02-03 RE-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-3, E-1-1, E-1-2 RE-03-01, CS-01-01, IT-01-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-04-02, CS-07-02
4 医療データ取り扱いの留意点 ※1-6 RE-03-04, IT-01-01, IT-01-02 RE-02, IT-01, IT-02 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1, E-1-2 RE-03-01, CS-01-02, CS-01-04, CS-01-05, IT-02-01, IT-02-02, IT-04-01
5 医療データの観察 1-3 IT-02-01, IT-02-02, SO-02-03 RE-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1, E-1-2 RE-03-01, CS-01-02, CS-01-05, IT-01-02, IT-01-03, IT-04-01, CS-07-02
6 医療データ分析の実際 1-4 IT-02-01, IT-02-02, SO-02-03 RE-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1, E-1-2
7 医療データの可視化(用語解説参照) 1-5 IT-02-01, IT-02-02, SO-02-03 RE-02, IT-03, IT-04, IT-05 B-5-1, B-5-3, D-3-4, E-1-1 RE-03-01, IT-01-02, IT-01-03, IT-04-02
8 AIの活用と倫理 ☆3-3, ☆3-4 IT-01-01, IT-01-02, IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 RE-02, IT-01, IT-02, IT-03, IT-04, IT-05, IT-06 B-5-2 IT-01-01, IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02, IT-04-02

中核項目2

授業計画 MDAモデル
カリキュラムとの対応
R4医学教育
モデルカリキュラム
R4歯学教育
モデルカリキュラム
R4薬学教育
モデルカリキュラム
R6看護学教育
モデルカリキュラム
1 医療におけるICTの進展 ☆2-1 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 C-2-5, IT-03, IT-06 C-6-3-4 B-5-2, D-3-5, F-3-2 LL-02-02, IT-03-01, IT-03-02, IT-04-01, IT-04-02, IT-05-01
2 生成AIを活用したデータ分析プログラミング ☆3-1, ☆3-2, ☆3-5 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 IT-03, IT-04 B-5-2
3 データ活用の実際 ☆2-2 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04 C-6-3-4 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1, E-1-2 CS-01-01, CS-01-02, CS-01-04. CS-01-05, CS-02-03, RE-03-01
4 医療データ収集の実際 2-3 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04 C-6-3-4 B-5-1, B-5-2, B-5-3, D-3-1, D-3-3, D-3-4, D-3-5, E-1-1, E-1-2 CS-01-01, CS-01-02, CS-07-02, RE-03-01
5 医療データベース作成の手法 2-4 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04 C-6-3-4 B-5-1, B-5-2, D-3-2 CS-01-05
6 医療データクレンジングの技術(用語解説参照) 2-5 IT-02-01, IT-02-02 IT-03, IT-04 C-6-3-4 B-5-1, B-5-2 CS-01-04
7 医療倫理とITセキュリティ 2-6 IT-01-01, IT-01-02 IT-01, IT-02 C-6-3-1, C-6-3-2, C-6-3-3 B-5-1, B-5-2 IT-02-01
8 個別化最適医療を目指したAIの進展と現況 ☆3-3, ☆3-4 IT-02-01, IT-02-02, IT-03-01, IT-03-02 IT-05 C-6-3-5 B-5-2, D-3-5, F-1-1, F-3-2

社会実装

授業計画 MDAモデル
カリキュラムとの対応
R4医学教育
モデルカリキュラム
R4歯学教育
モデルカリキュラム
R4薬学教育
モデルカリキュラム
R6看護学教育
モデルカリキュラム
AIによる画像診断 (病理、放射線科) D-2-5, D-2-6
3Dプリンターを活用した医療 (歯学) B-2, B-3, D-5-2, D-5-3
言語処理 (カルテなど病院経営)
生成AIによる病理診断 (内科) D-2-6
バーチャルリアリティ、ロボティクスの活用 (看護) D-5-2, D-5-3, D-5-4
デジタルツインの最新技術 (外科)
社会医療で扱うビッグデータ (医療行政) C-6-2 B-5-2, E-1-1
健康管理システム構築の実際 (産業医療) C-4-3
医療データの取り扱い (医学倫理) C-6-3-2 B-5-2, D-3-5
バイオインフォマティクス (基礎医学)
ケモインフォマティクス、AI創薬 (薬学) B-5-2
生物統計 (基礎医学)
医療統計 (臨床医学、薬学) C-6-1 B-5-1, B-5-2, E-1-1

医療系データサイエンス標準教材作成WGについて

理工学系をはじめとする多くの分野でデータサイエンス教材の整備が進む一方、医療系分野向けの標準教材は不足していました。 また、各領域の改訂版モデル・コア・カリキュラムにおいて「IT・データサイエンス」関連の項目が明示されたことで、現場の教職員からは、新カリキュラムに準拠した実用的な教材を求める声が急速に高まっておりました。

こうしたニーズに応えるべく、各専門領域の教育学会・協議会(日本医学教育学会、日本歯科医学教育学会、薬学教育協議会、日本看護系大学協議会)から推薦を受けた教員と、コンソーシアム特定分野校メンバーが集結し、本ワーキンググループ(WG)を組織しました。

参画メンバー

WGの3つの目標

  1. 項目の整理: 改訂コアカリキュラムのIT項目に必要なデータサイエンス要素を整理(共通・専門分野)
  2. 教材の公開: 医療現場に即した実用的な教育リソースの作成と公開
  3. 基盤の構築: 継続的に利用可能な、実用性の高いプラットフォームの提供